もう、主人は自分ひとりでは洋服は着られなくなりました。
ズボンの中、股の辺りがもたもたしていました。
見てみると、シャツの両袖に足を通していました。脱がすと、足首が締め付けられて凹んでいました。
また、翌日はシャツを首元から履いて、ウエストが絞られていました。
いったいどうやって履いたのか?脱がすのが一苦労でした。
夜中に起き出して着替えてしまうのです。
作業着は今まで彼のプライドでした。ですからジャージの方が楽でも、会社には作業着で行きました。
最近は、作業着にこだわらなくなってきました。
作業着を少し整理しました。
日に焼けたシャツに、元気だった彼の面影を見て、まだ一年にも満たないのに、ずいぶん経ってしまった気がしました。
自分で糖尿病の血糖値を測る事も、インシュリン注射をする事も、3月末からできなくなっている事に、今回のゴールデンウィークの里帰り前に準備をしていて、気がつきました。
主治医と相談して、お薬を1日2回、わたしが声かけして飲ませる事になりました。
日々、できない事が増える彼の代わりに、わたしのやる事は増え続けます。
わたしはそれに慣れるのか?根を上げるのか?
どこまで増えるのか?どこかで均衡を保つのか?
お医者さまも本人も、誰にもわかりません。