思い出した。
息子が小学校になってから、お風呂場の鍵を閉めるようになった。
洗面所を使いたい時に不便なので、よく娘たちと、鍵を開けて欲しいと、戸を叩いたが、決して開けてくれなかった。
娘ふたりとわたしは、乙女か!と文句を言っていた。
しかし成人して、なぜ閉めていたのか話してくれた。
友達数人に、しょっちゅう絡まれて殴られていたらしい。
その話を聞かせてくれた時も、いじめというワードは使わなかった。
当時の息子は、あちこちアザだらけだったらしい。
もし私がそれを見たら、もちろん学校に殴り込んでいた。
わたしの性分をわかっていたから、余計に隠したのだろう。
格闘ゲームが好きだった息子は、ある時から空手を習いはじめた。
もしかしたら強くなりたかったのかもしれない。
ゲームのおかげか、ケンカ?のおかげか、空手は一緒にはじめた従兄弟より、上手かったらしい。
案外長く続いていた。
もう少し遡れば、チボリ公園という倉敷にあるテーマパークに良く家族で行っていた。
(残念ながら今は閉業している)
息子は乗り物に乗らずに、虫ばかり探していた。せっかく高い入場料を払っているのだからと、乗るように誘ったが、全然乗らなかった。
その時のことを「乗り物が怖かった」と告白してくれた。
妹でも乗っていたので、怖いとは言えなかったのだろう。
日常に『怪物』は溢れていて、わたしも日々怪物だ。