小豆島
とても穏やかな瀬戸内の海を昼間フェリーでわたり小豆島に来た。
『二十四の瞳』の映画村を目指して細い山道をカーナビの通り車で登ると、ロープウェイの頂上に着いた。
そこから下を見下ろすと温かくやさしく美しい景色だった。
そこには最近見かけなくなったトンボがたくさん飛んでいた。
神さまに守られている自然だった。
ここで生まれ育っていたならどんな人になっていたのだろう?フェリー以外に島から出られない。
海に囲まれた景色。
それでもわたしは演劇をやっていたのではないかと、きっとやっていたと思った。
山を降り海岸沿いを走ると映画村に着いた。
古いセットが今も大切にされていた。
新たに『八日目の蝉』のメイキング映像やポスターや俳優さんたちの着ていた衣装が展示されていた。
映画、そしてドラマ化もされ、どちらも泣きながら見た大好き作品。
温泉からはエンジェルロードが見えた。
夜、たまたま有料動画で『八日目の蝉』を見つけたので、久しぶりに見ることにした。
関東平野で育ったのでたまに見る太平洋の海は特別あり、どこまでも続く水平線や波は怖くもあった。
でも瀬戸内の海は山に囲まれ、穏やかで安心する。
わたしがずっとここで育ったなら、この景色が恋しくて、一度は都会に憧れても必ずここに戻るだろう。