透明の水がはいったグラスに、少しずつ粉を落として、マドラーでかき混ぜる。
グラスはじょじょに色がついていく。
3ヶ月かけて粉を足しながらくるくる混ぜるの。
透明のだったグラスの水は、やがてすっかり乳白色になる。
公演が終わってかき混ぜるのをやめる。
すると粉はゆっくりと下に沈んでゆくの。
そしてだんだんグラスは、もとの透明になっていくのです。
落とした粉は底にたまり、わたしの心のなかに残って財産となるのです。
そうして、また次の役を演じるときに一緒に混ぜるの。
今はただ、じっと全てが沈むのを待っているところ。