朗読の先生が見にきて下さいました。
先生のアンケート一杯にわたしのダメだしばかりが書いてありました。
「感情が入りすぎて聞いている人に伝わらない。今度の練習でまた直します。檀さんが一番へただった!」と、名指しでボルカスでした。
一晩まんじりともせず、悔しいやら情けないやら、そして、後三回どうしたら少しでもうまく読めるのやらと、考え続けました。
本番のとき、自分は何を考え何を感じていたのか必死で思い出していました。
ひたすら舞台の袖で、被爆者によりそえますようにと、祈り続けておりました。そして、今までで一番被爆者の気持ちがわかったとたん、はじめて情景が浮かんで
声がふるえてしまいました。
後の詩も作者によりそえた自分がいたのでした。
つまり「ああ、やっとよりそえた」自分がまだ、そこにいたのです。
松本幸四郎さんの本で、一番良かったと奥さまにほめられたのは、熱で体調が悪くて何をやっていたのかさえ、覚えてなかった回だったと、ありました。
もう、このまま寝ないで19時30分の二回目の公演にのぞんでみよう!
そうしたら、頭がぼうっとして自分の意識から離れられるはず。
わたしのレベルでは、物理的にしかまだ、自分の意識を捨てられそうもなきもの。
クソー!いつか「ラマンチャの女」になってみせる。
今日はこの作戦。これでダメならまた考えれば良いのです。