井上ひさしさん脚本の二人芝居『父と暮らせば』が、8月の市民劇場の例会でした。
9月公演の『少年口伝隊一九四五』と同じ脚本家です。
原爆の3年後、生き残った23才の娘と、死んで幽霊になった父親との会話劇です。
広島弁の勉強にもなると、注意して聞きました。思ったよりも、自分たち流の広島弁と遠くなかったので、ホッとしました。
パンフレットに井上ひさしさんからのメッセージが載っていました。
とても衝撃を受けたので、少しだけ引用させて下さい。
「あのときの被爆者たちは、核の存在から逃れることのできない二十世紀後半の世界中の人間を代表して、地獄の火で焼かれたのだ。」
「あの地獄を知っていながら『知らないふり』することは、なににもまして罪深いことだと考えるから書くのである。」
『父と暮らせば』では、生き残った娘が生きていることを申し訳なく思う心理。
少年口伝隊では、原爆の後、広島に大きな台風が来て、弱った人たちに追い討ちをかけ、山津波や高潮が襲ったことを教えてくれました。
わたしは、原爆の恐ろしさを、この朗読劇を通して口伝隊の一員になりお客さまに伝えます。
わたしの身代わりに地獄の火で焼かれた人たちの供養をします。
毎日台本を声を出して読んでいることが、お経のような効果になってくれたらと思います。