毎朝8時、車椅子でデイサービスのお迎え場所に行くのが日課になった。
「わたしはパン屋さんでパンをこねる仕事してみたいなぁ。何かやり残した事ある?」
叶えられるならば、叶えてあげたかった。
「宝くじに当たりたい」
長い事宝くじを買っていたけれど、一度も当たった事がない。
今は、お財布の中にお札の代わりに、30枚ほど去年の年末ジャンボ宝くじが入っている。
「それは叶えてあげられないな笑」
「じゃあ宝くじに当たったら、そのお金で何がしたいの?」
「何もしたくない、でも当たりたい」
夜、もう一度聞いてみたら
高額当選したお金を、全部わたしにあげたいって。
現代版、賢者のおくりもの って感じですか?