創立110年のお祝いの花が飾ってある、和菓子屋。
その奥でお食事や、コーヒーが頂けます。
今日はランチを食べに、ふらっと入りました。
お食事スペースを入るとすぐに、ゴットマザーが座っています。90歳くらいかとお見受けします。
歩くのも不自由そうですが、お客さまのわたしには、とても可愛らしいお声で「いらっしゃいませ」と言ってくれます。
でも、従業員には厳しく目を光らせているのを、わたしは知っています。
その姿が4年前に亡くなったお姑さんと、そっくりです。
居る時には気が付かないものですが、亡くなってみて、その存在の大きさに気が付く、稀な老人のひとりです。
奥に1組先客がいました。わたしの背中越しに賑やかにおしゃべりをしていました。
わたしの横を、会計のために4人のエプロン姿の女性が通り過ぎた時、おひとりが振り返り
「どうも」と挨拶して下さいました。
それで、引越したのだからと、何組かお布団を新調した、老舗の広いお布団やさんの方々だと気がつきました。
その前を通る時、いつも目が合うとご挨拶をするようにしていました。
同じ商店街の方どうし、たまにお食事をしているのか、会計場所からは、知った者どうしの和やかな声が聞こえきます。
わたしも、なるべく手土産は、その和菓子屋さんで購入するようにしているので、顔なじみです。
同じ商品がネットより高くても、時計屋さんで腕時計を買いました。
高級雑貨屋さんは、前からお気に入りなので、よくのぞいて帰り、タオルや食器や台所用品などを、買い足しています。
ここに引越して2年半、毎日通るその道のお店で働いている人たちのことが、だんだんわかって来ました。
年配向けのお洋服屋さんの奥さまなのか?店主さんなのか、いつも表で立っています。
毎日、そのすぐ前を歩いているので、きっとわたしの事だってご存知だと思います。
その通りでも、閉まったまんまのシャッターや、何度か入るお店が変わる所もあります。
そうして少しづつ新陳代謝を繰り返しながら、商店街の人たちは生活しています。
シャッターを開けて、店舗前1メートルほどの場所に商品並べる姿、そして夕方になると、その棚を店にしまい、シャッターを下ろす姿。
何度も何度も見て来ました。
心の中で「お疲れさまです」とご挨拶をしながら。