鄭義信演出
国立劇場おきなわ小劇場
2800円自由席
私たちは開演5分前に着きました。沖縄の方はのんびりされているのか、ロビーで談笑中。
わたしと足立さん(市民劇場のお仲間さん)は入場の烈のちゃっかり最前列に並びました。
そして自由席なので思い切って一列目真ん中に座りましたよ
舞台には大きな階段、それを覆い尽くす大きな白い布。
そして1番上の段に衣装3組。
下には濡れた新聞紙が敷き詰めてられていました。
並の音の後にカラカラ。サブーンカラカラサブーンカラカラ。
カラカラは何の音がなのか足立さんと雨?などと話していると、三線を持った方が登場。
そしていきなりわたしの視線のまっすぐ前、階段に被せてあった布の下から、わたし目がけて少年役(ぜんぷくトリヲ橋本フクヨ)が勢いよく這って登場。
もう2人の少年役(ぜんぷくトリヲ鈴木秀城)(キムドワン)が登場し、題名通り遊びだします。
でもノンバーバルなので、あくまでもパントマイム。
最初に出てきた少年が、どうも女性らしいと思って驚きました。後から知ったのですがパントマイムをお仕事にされているので、そりゃあおもしろいはずです。
表情も動きも大きくわからなかった所はありませんでした。三人が別々の動きをする時には、どの人の動きも何をやっているのか理解しようとすると、見る側も集中力が必要なのか、90分の公演でしたが、ストレートプレイに比べるとなかなか疲れました。
途中鄭さんらしく客席いじりがあり、わたしも下に降りた少年のお尻を押して舞台にあげたり、飛び出した目玉を渡したり、ハエたたきで叩いてもらったり(ご利益があるとか笑)と、良い席に座ったおかげで一緒に楽しむことも出来ましたよ
ここからは初日打ち上げにちゃっかり参加して色々お聞きした事も含めて書きます。
ザブーンカラカラのカラカラは、沖縄の人には貝殻の音が聞こえるそうです。
あまり波の高くない穏やかな海の音。
細かな白い砂の中に混ざっている小さな貝殻の音。
そして台本は4枚か5枚くらいで、その台本を柱にパントマイムで色々やりながら作っていったそうです。
すごい事に挑戦している!なんと!あのセリフを大事にする鄭義信が、そのカラーを損なわず面白く楽しく、そして戦争によって日常を突然奪われる理不尽さを、しかしラストは子供たちが成長しお互いに再会を喜ぶ希望をノンバーバルで伝えきったという感動
今思い出してもウルっとします
役者さんの全力の動きや、大きな白い布が色々な物に変身する楽しさ。
そしてクラッシック音楽なのにしっかり日常を表現している。
沖縄に観に行こうと思って本当に良かった
制作の下山さんはノンバーバルはこれで5作目で、鄭さんに『ノンバーバルで』とお願いした方です。下山さんは沖縄は日本が戦争になったら真っ先に攻められるという危機感があると言っていました。
戦争があるかもしれないと感じている度合いが本土よりかなり高いのだなと思いました。
またフクヨさんとはたくさんお話しできました。鄭さんの作品に出られたことをとても喜んでいました。
鄭さんの舞台作りにかける思い、決して妥協しないところを「線路は続くよどこまでも」と表現していました。
フクヨさんはまた最初に台本を渡された時に、そこに書いてあった文章を暗記していて、私たちに熱く語ってくれました。覚えていますが、それはあまりにもカッコ良すぎるので、心に閉まっておく事にします
鄭さんオススメのお店。
ウリが特に美味しかったよ
お芝居も沖縄も最高でした。来年も足立さんと一緒に観に行こうと誓いました。
来年もあるのかなあるといいなあ