重度障害者の作者が、自らの障害者目線で書いたという話題の本です。
性描写に戸惑いながら読み進めました。
主人公が置かれている立場は、重度障害者の他に、あり余る遺産があるという、これも特殊な状況です。
作者の受賞インタビューや、選評などを、興味を持ってみました。
インタビューでは、ハンチバッグの表紙の色にピッタリだと思って選んだ、オレンジ色のお洋服がお似合いでした。
選評は、全てラストに視点が変わるシーンが出てくるのが、惜しいというものでした。
ご本人は、その事を問われると、あのシーンがあって芥川賞にふさわしいとおっしゃていました。
わたしは、映像にしたら、きっとラストの健常で奔放な性を楽しんでいるシーンが、美しいのではないかと思います。
それはきっと、もうひとりの作者の夢のような現実なのかな?と。
1回の性処理のために100000000円の小切手を受け取れるのかな?
ほとんどの人は、その法外な報酬に現実味がわかないのかも知れません。
1000000円くらいなら、主人公の夢、妊娠して中絶する、は叶ったのでしょうか?