元町映画館から劇団に電話がはいりました。
「『世界一受けたいお稽古』のチラシを送ってもよろしいですか?」
動画で予告編を何度も見て気になっていた映画でしたので、劇団員分15枚送ってもらいました。
1月10日10時30分、初回に観に行ってきました。
元町映画館のホームページを見ると、初回は終わった後、劇団四紀会の吉田業さんのトークショーもありますとのこと。
映画はピーター・ブルックの言葉を全て聞きのがすまいと思うので、集中しました。
すでに活躍している選ばれた俳優に、何もない所に綱があると想像して、それを渡らせるという所からはじまりました。
ここで大事なのは、想像することと正確に再現できる身体能力。
他にも映画の中の教えを忘れたくないので、手のひらサイズのパンフレットを購入しました。そこにはたくさんの大切なことが書かれています。
題名だけが背表紙に書いてあるので、そちらをご紹介します。
内なる生命力といのちの飛躍
芝居とは普通を演じる
脳は共有される
演じることは楽しむこと
芝居の喜びの本質
創造力に宿る力
流れてゆく“時”
人のこころを釘付けにする想像力は、役者に備わる特別な力
どこまでの変化し続ける演技の上質さ
突き動かされる何か
人のこころに触れ、痕跡を残すこと
テンポの正体
終わりは終わりではない
基準を上げる
1まで戻ってまた始める。バランス感覚こそ“綱渡り”の真髄
60席のうちお客さまは20人くらいでした。
そのうちの8人が映画館の2階にある部屋で、吉田さんと一緒にワークショップをしました。
映画の中で、何のルールもなく俳優さんが円を作って順番に数字を言っていくシーンがありました。
同時に同じ数字を言ってしまったらやり直し。
呼吸を合わせる、耳をすませるお稽古です。
これはかなり難しいので、わたしたちには『あいうえお』を順番に言うという課題が出されました。
これが後半になると間違える人が出てきて、最初からやり直し。わたしも一度間違えました。
合計5回ほとやり直して、やっと終わりました。
『リアリティに触れたら次はなにもない瞬間が来る。観客の中に息を呑むような沈黙が生まれる瞬間が一瞬だけあって、それからいつもの拍手となる』という、ピーター・ブルックさんの言葉がありました。
吉田さんもこの瞬間が役者にとって中毒性があり、やめられなくなると言っていました。
『あいうえお』ゲームがやっと終わった時の一瞬、全員がほっとした一瞬を共有しました。
自分が相手から「あ」を受け取り「い」を渡す。バトンが演技でも日常でも大切なコミュニケーションの基本だそうです。
「今を生きる」っていうことですね。