それは長女の誕生日。
長女は大学を卒業し、正社員の仕事を2年で辞め、それから1年はのらくらしておりました。
(簡単なアルバイトを週に数回数時間くらいね)
妹とふたりで暮らしているので、金銭的に多少援助していました。内心心配だけど、娘に嫌われたくないから、お口チャックね。
で、わたしがはじめて子どもを産んだ記念すべき日なので、仕事を早めに切り上げて、誕生日プレゼントを買ってあげる事にしました。
花柄のショルダーバッグにチャーム付き13000円弱。
それから二人でわたしの最近お気に入りの『カフェラダダ』でお食事とケーキ。
間もなく食事が終わる頃娘が
「少し時間いい?話したいことがあるの」
「いいよ、何?」
なかなか話し出そうとしない。
言いにくいことなのは間違いないけれど、さっきまでの明るい様子から、そこまで深刻な話しではないだろうと思っていました。
そうしたら
「彼氏ができた」
とのこと。
「いいんじゃない。何となく気がついていたよ」と。
(あれ?と思うことはあったのよ。女の勘はおそろしいね)
その後、少し彼氏の事を聞いて(根掘り葉掘り聞きたいのを、嫌われたくないから抑えましたよ)別れました。
わたしね、あの、言いにくそうな30秒をはじめて体験しましたよ。
あんな娘の顔ははじめてで、そして、その後ふしぎと娘との距離を感じました。
息子に彼女ができた時の浮かれた気持ちとは、何か違います。
娘が決めた人生設計に、何も口出しすることはありません。
信じているから。
こうして25年目の3月17日は、またわたしにとってさらに特別な日になりました。