鼻がムズムズするので、ぶんっかんだ。
手ににょろっという感触があったので、思わず手を払うと
にょろっとしたものの正体は3センチくらいのあひるだった。
手を払った時に深さ1メートルの溝に落ちたあひるは、トコトコ歩いて行く。
その溝の途中に格子があって、3センチのあひるはそこに体半分はまってしまった。ちょうど両脇で落ちないようにしていた。
わたしは通行人に助けを求めた。
どれどれとのぞきに来てくれたが、あひるはいなかった。
良く見ると、その格子の下はきれいな水が流れている浅い川だった。
ここならあひるも元気に生きていけるだろうと思ったら
魚が一斉に集まっている。あひるの姿はない。
あひるは魚に食べられたのだろう。