ハコブネとは文通サークルである。
月数百円払って会員になると、架空の番地と自分のハンドルネームで月一回の会報に自己紹介文を載せてもらえる。
わたしもその会報の中から、同じ趣味の人や気になった紹介文に手紙を書いた。
3人ほど書いた。
書いた手紙は事務局に封をしたまま送付する。事務局が10日一度、それぞれの住所に手紙を送るので、文通相手の住所も本名も知らないまま文通ははじまる。
そして会費が切れるときっと文通も終了するのだろう。
今日はじめて返事がきた。入会してから2ヶ月。
高級なレターセットに美しい文字。
万年筆で書かれているのかもしれない。
観劇が趣味の方なので、早く返事が書きたいな。
文通なんて、もう誰もしないのかと思っていたが、それならこんなに世の中にレターセットが売っているはずない。
会員は以外と多く、毎月入会者も10名は下らない。なぜか趣味の欄に観劇と書く方も多い。
文通と演劇は似ているのだろうか?