えり花さんは、湖と山の間。自然と近い暮らしをしながら、世界の民族舞踏や音楽、文化を独自の視点で学び、自分の身体を通して表現していく即興舞踏家。
ベノアさんの演奏を、前回の二人芝居『寝られます』の音楽に使わせて頂いたというご縁です。
演奏している時は、神様と対話しているようです。身体の中から生まれたリズムを、そのまま表現しているように見えます。それは顔の表情から伺えます。とても集中しているようです。
その演奏に合わせ、見えた景色をえり花さんが踊りで表現していきます。
えり花さんは、ベノアさんの演奏を聞くと、星空や大地が見えるそうです。
雨がふり喜んでいたり、神への感謝を現したり、捧げ物をしているような、そんな動きを入れながら、ゆっくり踊ります。境内がシンとします。
アフリカの硬い大地では、上にジャンプをする踊り。砂漠では砂に足を取られながら、ギュッギュッと踏みしめて進む動きの踊り。実際に行ってみて身体で感じたことを、再現してみせてくれました。
一部ではそれをゆっくり、二部では激しく踊ってくれました。2時間のライヴでした。
普段のライヴでは、話すことはないそうですが、その時は、そんな話や「一緒に踊りましょう」と、リズムに合わせる、簡単な踊りを教えてくれて、最後には全員で身体を動かしました。アンコールにも応えて下さいました。
えり花さんの声も話し方も、すべてに調和がとれていて美しい方でした。彼女が食べたりお金を使ってお買いものをしたりするのを、想像できません。
音楽や踊りは、言葉を使わないから国境を越えてしまいます。話すのは日本語でも、その日本語に頼らないで、自分の伝えたいことを伝えることができる役者を目指そう。その佇まいだけで繊細に表現できるような。
いいねぇ。うっとりしますね。