姫路市民劇場『先生のオリザニン』
劇団俳優座の公演でした。
農芸化学者の鈴木梅太郎の生涯を、加藤剛さんが演じました。若い時は実の息子さんの加藤頼さん。親子共演です。
理化学研究所の話はタイムリーで興味をそそられました。
解放の解題を読むことで、より理解を深めることが出来ました。
鈴木梅太郎の妻須磨子役は有馬理恵さん。
この女優さんがストーリーを進めていくのですが、声も表情もステキで一気に物語の世界に引き込まれました。
また立ち振る舞いも美しく、指の先まで神経が行き届いていました。須磨子役は若い時から年を重ねた時まで全てをひとりで演じ、そして確実に演じ分けていて、プロのお仕事を見せつけられました、どんな方なのかしらと調べると、日舞なども習っているそう。納得しました。ホールページの写真があまりにもチャーミングでファンになりました。
有名ではなくても(わたしがテレビに出ている俳優さんしか知らないだけですが)実力のある魅力的な役者さんがたくさんいる劇団です。
ワークショップなどしていないのか調べると30歳まででした。残念涙。
主演の加藤剛さんは少し腰が曲がっていましたが、端正なお顔やお声はお変わりなく安定の演技でした。
自分と役者として恐れ多くも比較させていただくと、わたしより年齢を重ねていらっしゃるのにあのセリフの量を覚えることができるのがすばらしい。わたしは後30年舞台に立ってあれだけの仕事をしたいけれど、出来るのかと不安もあります。ですから本当に尊敬します!
そんな加藤さんがラストご夫婦のみのシーンで終わり暗転で舞台が終わった時のほっとした表情に、この大役へのプレッシャーがあったのでは?と勝手に憶測してジンとしました。
市民劇場の方から、加藤さん親子と有馬さん3人にお花が贈られる時、そして舞台をはける時、息子さんがお父さまを気づかって声をかけたり背中に手を当てたりする姿、そのほほえましい光景にまたもジンとしました。
映画は監督のもので舞台は役者のものと聞いたことがあります。それが全てとは思いませんが、加藤剛さんほどの役者さんになると、そこにいらっしゃるだけで存在感を放つのですね。
わたしも1日でも長く役者が出来たらいいなぁ。それには健康第一ですね。