兵庫県芸術文化センターで鄭義信さんの三部作第一弾として
『焼肉ドラゴン』
鄭さんの演出らしく、開場したらもうすでに舞台の上では役者さんたちが楽しそうに焼肉屋さんで騒いでいました。
そしていつの間にか客席が暗くなりお芝居の世界へ。
韓国語が飛び交うので、両脇の電光掲示版に字幕がつきます。
1970年の在日韓国人の町の人々のエネルギーに満ちあふれていました。
役者さんも韓国人と日本人。
両親と三姉妹と弟。それぞれ在日という差別に苦しみながら、それを運命であり宿命だと受け入れながら生活しています。
そこへ立ち退き強制撤去。
家族がそれぞれの道を見つけ離ればなれになる日、桜ふぶきが舞い散ります。
ラストいじめに会い自殺をした少年が屋根の上から「この町が好きだ」という想いを力いっぱい語るところで、涙があふれました。
アボジ(父)が淡々と深い悲しみを語りながらも、それでも希望を持って夫婦で旅立つラストに、思わずがんばれと拍手をしました。
三度のスタンディングオベーション。
がんばれーわたしもがんばるよ。
って勇気をもらったのだと思います。
次は『たとえば野に咲く花のように』
ラストは『パーマ屋すみれ』
泣けるんだけど、たくさん笑えるのが鄭さんの演出力。
ああきっと笑いの絶えない稽古場だったのだろうなぁ。
わたしももっと上手な役者になって、また鄭さんの演出するお芝居に出るのを目標にしてるの。
だって本当に稽古場が楽しかったもの。