メジャーデビューまでの道(はてなブログ)

日記を書く事で、自分で自分を見る事ができる。だから書いてるよ。

映画『ドライブマイカー』

今年の日本アカデミー賞を受賞して話題になった映画です。

 

プライムビデオで購入して、観てみました。

 

YouTubeで作品の解説動画は観ていたのですが、村上春樹さんの短編がベースとなり、他の短編と組み合わされているとの事。

 

家福(西島秀俊さん)専属のドライバー役の三浦透子さんの、表情では読めない心情をセリフでさらっと言ってのけるところに、ドキッとします。

 

世界的に人気の村上春樹さんの小説は、若い時に『ノルウェーの森』読んだきりで、その世界観になじめなくて敬遠していました。

 

しかし家福のセリフが深くて好きでした。もしかして脚本が良かったのかな?確かめてみたいですね。

 

専属ドライバーが語った辛い過去を、回想シーンなしで、潰れた家だけで想像させる力量は、監督、演技、脚本、ほかに何でしょうか?

 

えっ、回想シーンあったっけ?と今思い返してみるけれど、わたしの脳裏に浮かぶ映像は、わたしの想像力が刺激されたもののようです。

 

そして、何と言っても、演劇人にとって、プロのお稽古シーンは、とても興味深かったです。

 

チェーホフ作『ワーニャおじさん』の舞台のセリフが、現実とリンクしてきます。

 

韓国人役の阿部聡子さんが、日本人だった事にもびっくりです。韓国人が日本語を話しているような話し方って難しいですよね。

 

お稽古の中で「演技が上手くできない」という演技も、きっと難しいでしょう?俳優陣の演技力のレベルが高すぎます。

 

岡田将生さんは間違いなくイケメンの部類ですが、なぜか爽やかさがなく嫌な男役。映画『悪人』の時の役を思い出させてくれました。

 

岡田将生さんの役が、人を殴って殺してしまい逮捕されるのですが、そんな大事件も、全て観客の想像力に委ねてしまう潔さ。(もしくは低予算?笑)

 

ん?演劇は観客の想像力を信頼している訳で、この映画は実は演劇に近いのかもしれません。

 

ラストは家福の車で、専属ドライバーだった彼女が韓国のスーパーで買い物をしている。後部座席には大型犬が乗っている。

 

家福の娘は4歳で亡くなり、また妻も亡くしてしまった。家福の娘と同い年のドライバーもまた天涯孤独。

ふたりは家族として寄り添って生きていく事にしたのかな?

 

そこがファンタジーで、そう思うと、全体的に実はファンタジーなのかもしれないです。

 

ノルウェーの森の映画と確かに印象が似ているので、村上春樹さんの原作を損なっていないようです。