アレルギー発症。
目も耳もかゆい。鼻も詰まる。
引っ越したので劇団近くの有名な耳鼻科に変えました。
予約したにも関わらず2時間半待ってやっと呼ばれました。
治療台に座ってからも左隣の治療が終わるの待つ間、右隣には2歳くらいの男の子の患者さんが、お母さんのお膝で笑っていました。
しかし女性のお医者さんを見るや否や、何かを察したのか恐怖で泣きだしたのです。
多分はじめてではなかったのでしょう。前回の恐怖を思い出したのです。
人とは死に直面するとこんな声を出すのか!
1分ほどの治療中、お母さんと看護師さんふたりに押さえつけられながらも、全力で抵抗し続けながら断末魔の叫びを続ける男の子。叫び声は低く少しかすれて、子どもの伸びやかな泣き声とは違う、何か異様な声。
看護師さんも必死で抑えています。何をされているのか見えないので声だけ聞いていると、とても治療されているとは思えません。
そりゃあ、本人からしたら身体を巨人に押さえつけられ口や鼻にアレコレ突っ込まれるのですから
「たすけてくれたのむやめてくれ母さんあなたまでもうオレもこれまでか。短い生涯だった。思い残すことばかりだ」
と言っていたのでしょう。
わたしも治療を終わり薬局へ移動すると、彼はお母さんにしがみついていました。
待合室では、愛くるしい笑い声でトコトコ歩きまわっていたのに、すっかり元気をなくしています。あれだけ叫び全力で抵抗したのですから仕方ないですね。
もし彼の治療が続くようでしたら、記憶力がバージョンアップされ待合室に来ただけで暴れないことを願います。